ASEANの中心に位置するシンガポールにおいて「スミトロニクス」を設立し、
海外で部品を調達、管理、納品する国際調達ビジネス(IPO)を展開。
その後、タイ、香港、インドネシア、フィリピンとASEAN諸国を中心に横展開していきます。
※IPO:international Procurement Office
各拠点においてIPOビジネスを展開していましたが、
さらに付加価値を高めるために、現在の基礎となる「EMSビジネス」に転換。
製造工場を持たないファブレスEMSとして横展開を進めていきます。
当時、小型携帯電話が世界中でヒットし、急速に普及したことで、深刻な部品供給不足に陥りました。
例外なく、当社も巻き込まれ、お客様から受注した部品を納期に間に合わせることが厳しい状況に。
お客様との信頼関係をなんとか繋ぎ止め、ギリギリのところで乗り切りました。
この教訓を活かし、受発注・在庫管理システムの自社開発に着手しました。
「SCM(サプライチェーンマネジメント)型ビジネスモデル」を下支えする
このシステムは改変を重ね、現在もお客様から高い評価を受けています。
顧客の半数以上が日系企業だったことから、シンガポールにあった本社を日本へ移管しました。
リーマンショックが起きたのは2008年、その波は翌2009年に私たちに押し寄せてきました。
2007年にメキシコ工場を設立し、ようやく運営が軌道に乗り始めた頃、
リーマンショック直撃で、メキシコ工場は瀕死状態に。
それを乗り切ったのは、新たな市場を開拓した先見の明とあきらめない強さでした。
この危機を一丸となって乗り切ったメキシコ工場は、今では当社グループの主戦力となっています。
顧客ニーズを引き出しながら、製造工場を持たない「ファブレス型EMS」を展開してきましたが、
ニーズの多様化、EMS業界の環境変化から、スミトロニクスとしての基盤を盤石とするために、
「ファブレス型」と製造工場を持つ「メーカー型」の両輪を事業の軸として進んでいくことになりました。
2011年3月に東日本大震災が起こり、同年10月にはタイでの洪水被害も発生するなど、厳しい環境を迎えます。
この危機を乗り越えてからは、リーマンショックに端を発した外部環境の変化を見据え、
顧客のニーズに応えるために、自ら製造工場を持つ「メーカー型EMS」へ軸を移し、
徐々にモノづくりへと舵を切っていくことになります。
メキシコ工場を皮切りに、工場運営に積極的に携わっていましたが、
従来「パートナー」だった工場に増資をし、当社が経営権を持つことに。
ここから本格的に工場運営を始めました。
また、日系EMS初のカンボジア工場を立ち上げたのも、この時期です。
様々な難局を乗り越え、挑戦と失敗を繰り返しながらも、
無事30周年を迎えることができました。
私たちスミトロニクスは、これまで大小様々な波に直面するたびに、
それらを変革のチャンスと捉え、変化を遂げてきました。
この姿勢はこれからも変わることはありません。
ダイナミックに変化するエレクトロニクス業界において、
また技術革新が進むモノづくりの現場において、
私たちはこれからもあきらめることなく業界トップを目指していきます。